タロットカード大アルカナ9「隠者」の意味と絵柄の解釈

目次

隠者の基本情報

「意味の探求」

隠者のメインキーワードは「探求」です。過去の自分の成功と失敗を振り返ったり、得た知識や経験を元に真理について思いをめぐらせたりと自分の内面世界と向き合おうとしている様子をあらわしています。自分の内面を見つめる行為は、正しく行えば多くのヒントを受け取ることが出来ます。

プラスのキーワード

内観、瞑想、精神的隠遁、細心の注意、孤独、慎重、成熟、冷静、経験による知恵、油断のなさ、用意周到、識別力、視点、忍耐強い知識の探求、静かな黙想、心の灯、哲学的洞察、意味の探求、いまこのときの力、魂の充足

マイナスのキーワード

軽率、過剰な警戒、叡智の欠如、自己愛、臆病、社会的孤立、疎外感、引きこもり、寂しさ、経験から学ぶことの不履行、他者の支援を受け入れない

隠者の正位置の意味

正位置で出た場合は、静かな状態でじっくりと心を落ち着けながら、自分の内面を見つめ直すことが出来ることをあらわしています。その結果、あなたは人間的に大きな成長を遂げるヒントを得ることが出来ます。答えはあなたの中にあるのです。また、探求の末に精神的に成熟した姿は周りの人の尊敬を集めることになるでしょう。

隠者の逆位置の意味

逆位置で出たときには、過去の栄光にすがったり、目の前の状況を受け入れられず現実から目を背けている状態をあらわしています。こだわりが強くなって、理想が高くなってしまっています。自分がどう思っているか、何を望んでいるのかそんなことも分からなくなってしまっているのかも知れません。現実から目を背けても状況は変わらないのです。

隠者の解釈

テーマ毎に「隠者」を引いたときの解釈についてまとめます。

現在の状況

現状維持の運気/アップダウンの少ない穏やかな状況/学びのとき/ひとりになりたいとき/自分を見つめ直すとき

過去の自分の向き合うとき/現実から目を背けている/ものごとが停滞している/過去の栄光に浸ってしまう/世間から隔離されている状態

人の気持ち

人は人、自分は自分/何かを学びたい/一人の時間が欲しい/自分の心を見つめていたい/放っておいて欲しい

世間体を気にしている/思い出の中に住んでいる/本当の気持ちを認めようとしていない/寂しさや孤独感を覚えている

仕事

精神的に充実している/部下を率いる/ベテラン/経験豊富/専門職

まっとうな意見を無視する/社会に適合できない/無職/自尊心が強く、人を馬鹿にする

恋愛

長年の片思い/年上の相手/妙に落ち着いた人/精神的成長をもたらす関係

恋に恋する/現実離れした妄想の恋/過去の恋人を求める/恋のすばらしさを再認識する

アドバイス

あせらずに時間をかけて臨むべき/一人で抱え込まないで/もっとよく考える必要がある/過去の似たような状況にヒントがある

「あのときこうだったら」という言い訳はやめて/諦めることも必要/いじけていても誰も助けてくれない/自力ではいあがって/現実を見つめ直して

隠者に関するデータ

隠者と占星術

乙女座(水星に支配される地のサイン)

乙女座は頑固で有りながら、その時々で対応を変えると言う先天的な二面性を所持している星座です。ポジティブな面としては献身的で親切、優れた分析能力を持っています。しかし、自尊心の低さやたまに見せる冷淡な一面も持っています。所属しているグループや自分について近眼的になりやすいところがあります。

【エレメント】地

【乙女座の期間】
トロピカル方式:8月23日~9月22日
サイデリアル方式:9月17日~10月16日

隠者と数秘術

9(9隠者)=1+8(18月)

数秘術の9は一桁の最後の数字、サイクルの終わり、最高点、成就、達成といった象徴的な意味を持っています。

隠者と神話/元型(アーキタイプ)

長老、賢者、哲学者、ブッダ

隠者の絵柄の解釈

9隠者

背景

隠者の背景色は青みがかった灰色となっています。隠者の足元には雪が積もっており(雲の上、とする資料もありました)、闇の中を彷徨い歩いているような様子が描かれています。

他のカードに比べるとモチーフになるものがほとんどなく、使われている色は限りなく少ない。灰色は自己主張せず周囲の色を引き立てる調和の色です。受け入れる力の強い色とも言い換えることが出来るでしょう。隠者の周囲にはものがなく、ただ灰色の世界が広がっています。この世界は彼の内面世界をあらわしています。

表情と服装

隠者は前を向いておらず、自分の足元の方を見ています。暗闇の中をカンテラで照らしながら一歩一歩進んでいるような様子です。表情からは彼の心情を読み取ることは難しいですが、苦痛や悲しみを抱いているようには見えません。

衣装は灰色のローブを着ています。このローブにはフードがついていますが、マルセイユ版では「0愚者」を想起させるようなものになっています。愚者が当てのない放浪者をあらわしていますので、隠者は元放浪者と解釈されます。

マルセイユ版はカラフルな印象ですが、ウェイト版では灰色のローブとなり孤独を感じさせるものになっています。このカードはマルセイユ版とウェイト版であまり絵柄が変わらなかったカードの一つです。

六芒星の光とカンテラ

カードの中で明るい色が使われている部分は左手のワンドと右手のカンテラの光です。光は六芒星を形作っています。六芒星は古来から魔除けとして使われており、調和と完全のシンボルでもあります。六芒星は上下が逆になってもその形を変えることはなく、そこから調和と完全という意味合いが生まれたようです。彼はこの光を頼りに自分の内面世界と向き合おうとしています。その為、このカードは導きの意味も持っています。

マルセイユ版との比較

9隠者
ウェイト版
マルセイユ版

前述しましたが、隠者はカードの構図がほとんど変わっていません。変更点としては人物像の変更、フードを被っているかいないかと全体の配色程度です。ウェイト版は錬金術の開祖・ヘルメストート(ヘルメス・トリスメギストス)がモチーフとされています。

参考文献
タロット辞典(毎日新聞出版)
78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット(日本文芸社)

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この記事を書いた人

「Stella Maris」オーナー。占いとカフェが好きなので混ぜました。占いはタロット(ウェイト、トート)、ルノルマンカードを中心に行います。タロットカードの絵柄に魅せられ、将来はオリジナルのタロットカード(フルデッキ)を創るのが今のところの夢です。このサイトではあなたの「指針」となるような記事やコンテンツを作成していきます。

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