タロットカード大アルカナ8「力」の意味と絵柄の解釈

目次

力の基本情報

「勇気と野生」

力のメインキーワードは「本質的な力」です。このカードが示す力は一方的に押さえつけたりするのではなく、愛と辛抱強さで相手の心を動かすイメージです。その為にはあなたは向かい合う恐怖に打ち勝つために勇気を出さなければいけません。このカードは不屈の精神と欲望をもって物事に立ち向かうことを示しています。

プラスのキーワード

勇気、勇敢、情熱、英雄的行為、自尊心、不屈の精神、根性、真の気概、生命力、道徳心、逆境に直面した時の強さ、野生、欲望、性欲、強い欲望、性本能、激しい感情、内なる野獣を飼いならす、過度の恐怖を静める、無鉄砲の制御

マイナスのキーワード

勇気の欠如、権力の濫用、抑えられない欲望、倒錯した性、色情症、淫乱な女、中毒、本能的な欲望の抑制、激しい感情に対処できない、臆病、自己強化

力の正位置の意味

正位置で出た場合は、誠意と勇気をもって歩み寄ることによって相手との信頼関係を深めることをあらわしています。その為に必要なのは愛のある言葉をかけたり、自分が敵ではないことをアピールしたりといった地道な取り組みだったりします。自分が向き合い辛抱強く時間をかけて取り組まなければ相手(状況)は変わってくれないのです。

力の逆位置の意味

逆位置で出たときには、途中で諦めて逃げ出してしまうことを示しています。今まで築き上げてきた信頼やあなたが辛抱強くやってきたことが崩れてしまうかも知れません。あなたが相手にへりくだって媚びているような場合、それは相手にバレていて、むしろ機嫌を損なってしまうかも。

力の解釈

テーマ毎に「力」を引いたときの解釈についてまとめます。

現在の状況

正念場/猛獣のように危険な相手(状況)に立ち向かうとき/慎重かつ賢い行動が必要/ピンチをチャンスに変えることが出来る

なにかを断念せざるを得ない状況/精神力の強さが問われている/すべてを投げ出そうとしてしまう/恐怖心に負けそうになっている/あと少しのところで崩れる

人の気持ち

最後までやり抜きたい/相手と和解したい/創意工夫を行って結果を出したい/相手を手なずけられるという自信

意欲を失ってどうでもよくなる/できないという事実を受け入れない/気持ちから負けている/誰かに媚びている/割り切った対応

仕事

必ずやり遂げる/高い目標を達成する/長期間のプロジェクト/よきパートナーやスポンサー

仕事に身が入らない/協調性がない/根気がない/課題/野心だけがある

恋愛

硬い絆で結ばれる/時間をかけて実る恋/思いやりと忍耐の関係/強い意志のある人/美女と野獣

手に負えない恋/投げ出したいと思う関係/嫌われたくないと思っている/顔色をうかがう相手

アドバイス

ここまでやってきたのだから諦めないで/ピンチはチャンス/しっかりと作成を練って/勇気をもって取り組もう/協力者を募ろう

気持ちが冷めているのであれば諦めて/臆病風を吹き飛ばそう/優しい言葉や気遣いを忘れずに/強がりはやめてSOSを

力に関するデータ

力と占星術

獅子座(太陽に支配される火のサイン)

獅子座は「我決意する」というキーワードをもった星座です。情熱や夢を持ち、輝けるエネルギーを持って、人の上に立とうとする精神を持っています。同じ活動宮の牡羊座と違い、自分よりも他人を動かすタイプです。本能的に苦難の道を知っているので、意外と慎重派な一面も持っています。プライドは高く支配欲も人一倍ありますが、カリスマ性があり人から頼られやすい星です。

【エレメント】火

【獅子座の期間】
トロピカル方式:7月22日~8月22日
サイデリアル方式:8月18日~9月16日

力と数秘術

8(8力)=1+7(17星)

数秘術の8は動き、行動、権力、裁定、終わりの始まりといった象徴的な意味を持っています。

力と神話/元型(アーキタイプ)

ヒーロー、ジャンヌダルク、ドラゴン・スレイヤー、サテュロス(ギリシャ神話)、ヘラクレスとネメアーの獅子(ギリシャ神話)、ダビデとゴリアテ(旧約聖書)、サムソンとデリラ(オペラ)、クンダリーニ(=全ての人間が内にもっている生命エネルギーのこと)

力の絵柄の解釈

背景

力の背景色には黄色が使用されています。

黄色に惹かれる時は、黄色の持つ「明るく」「オープン」なムードにシンパシーを感じている時かもしれません。黄色は「太陽」の色です。空の中央で「堂々と自分の光を放出」する太陽のような「解放的」で「独立した」色なので、「自己の放出(自己主張)」すべき時にサポートしてくれます。また黄色の「光」は「知性」「知識」も意味します。黄色は「知識を探求する」「好奇心を満たす」ことから「喜び」を生み出します。オレンジの「五感刺激」とは異なり、黄色は「精神的刺激」を求める色なのです。黄色に惹かれる時期は何かを「学んだり」「知識を増やしたり」するのに向いています。第3チャクラから言えば、黄色は「個人の意思」を意味します。組織の歯車ではなく「自分と言う個性を発揮する」「自分の生き方を決める」そんな覚悟を問われている時、黄色はサポートしてくれます。

white-tara.comより引用

このカードはもともと力・勇気・寛大・名誉などを意味しています。それらを発揮するためには個人の意思は必須です。描かれている女性は穏やかな表情を浮かべていることからも彼女の「力」をもってライオンをてなずけた様子を示しています。後述しますがライオンは本能の象徴として描かれ、無意識を自我意識が抑えることに成功している状態もあらわしています。

表情と服装

ここでは女性に注目してみましょう。彼女は穏やかな表情を浮かべてライオンの口に手を向けています。彼女の表情からは相手を慈しむような愛情を感じます。またライオンの口に添えられた手は口を閉じているのか、開けようとしているのか、それとも別の意味があるのか様々な説があります。

彼女の服装は白いローブ一枚のみという非常に心もとないものです。白という色は純粋さを示す色であり、あるがままの下心がない感情で相手に向き合っていることをあらわしています。また彼女はライオンに対峙するこの状況にも恐怖心を抱いていないことがうかがえます。服装から彼女は特別な能力を持たない普通の人間であることも示されています。

女性の頭の上には∞のマークが浮かんでいます。これは彼女の無限の愛をあらわしているとされています。このカード以前に∞マークが登場するのは「1魔術師」です。力のカードはマルセイユ版では11番目のカードでした。1~10、11~20の二組それぞれの最初のカードに未知数ということをあらわす∞が描かれ「21世界」で統合されるというイメージだったようです。

ウェイ版は力と正義のカードの順番が変更されていますが、∞マークはそのまま力のカードに残されました。魔術師は両手にコインやステッキを持っているのに対し、この女性は素手。つまり「魔術師」が備えていた奇跡的な力は、力のカードではステッキ等の道具を用いるのではなくこの女性の「手」に備えられていることを表し、「魔術師」のそれに比べ、より人間的、直接的であることを示しています。

ライオンの存在

ライオンは「本能」(特に人間の動物的本能)と結びつけて解釈されます。動物が登場するカードでは「0愚者」の犬が思い浮かびますが犬と比べるとライオンは無視のできない存在として描かれています。力のカードではライオンは女性に向けてうっとりとした視線を向け、舌を出しています。彼女に対して服従するようにも見えますね。これは彼女の勇気や辛抱強さによって見事に飼いならしている様子をあらわし、うまく自分の本能のエネルギーを利用できていることを示しています。

マルセイユ版との比較

8力
ウェイト版
マルセイユ版

二つの版で大きな違いはありませんが、前述したようにカードの順番が変わったカードです。∞のマーク(マルセイユ版では帽子の形)、ライオンの口の側に置かれた手、そしてマルセイユ版女性の服装が中世ヨーロッパの一般的な庶民の衣服であることから、この女性が神秘的な存在や高貴な身分ではなく普通の女性であることが共通しています。

心理学的には無意識として手なずけられない状態にある力を自我意識が直接取り扱うことは出来ず、二つの側面を関係づけるためには女性による仲介が必要であることを表しています。昔から女性が持つ本質的な力は特別なものとして見られていたんだと思います。

参考文献
タロット辞典(毎日新聞出版)
78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット(日本文芸社)

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この記事を書いた人

「Stella Maris」オーナー。占いとカフェが好きなので混ぜました。占いはタロット(ウェイト、トート)、ルノルマンカードを中心に行います。タロットカードの絵柄に魅せられ、将来はオリジナルのタロットカード(フルデッキ)を創るのが今のところの夢です。このサイトではあなたの「指針」となるような記事やコンテンツを作成していきます。

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