タロットカード大アルカナ7「戦車」の意味と絵柄の解釈

目次

戦車の基本情報

「理性は欲求と意志を手なずける」

戦車のメインキーワードは「エネルギー」です。このカードは目標に向かって突き進む力をあらわしています。エネルギーが一点に集中していればそれだけ目標達成に近付くことが出来ます。その為に大切なのは、あちらこちらに引きずっていってしまう欲求に対して自らが主導権を握ることです。戦車は己のコントロールの重要性を教えてくれます。

プラスのキーワード

目的意識の強さ、統率する、はっきりとした境界を設ける、防壁の維持、旅行、分別、裁定、反対勢力を支配する、道を阻む障害への勝利、明確な方向性を持つ、冒険に旅立つ、目標に向かって集中し続ける、潜在能力に頼る、熟練、旅、自動車などの乗り物、自分の限界を尊重する、まっすぐな細い道

マイナスのキーワード

方向性の欠如、制御不能、いらだたしい障害、当てもなくさまよう、無駄骨を折る、手綱を放す、あいまいな境界線、自分の限界に気付かない、身を守る術を持たない、コースを保つことが出来ない、さまざまな方向に引きずられる

戦車の正位置の意味

正位置で出た場合は、勢いがあることをあらわしています。エネルギーが自分の目標とするものに集中されているため、念願のものを手に入れたり高いハードルを乗り越えることもできるでしょう。人生の方向性を見極めて、主導権を握るべきときなのです。野心と欲求をうまくコントロールするために理性を活用していきましょう。

戦車の逆位置の意味

逆位置では進むべき方向を制御せずに、あてもなくさまよっているのではないかと警告します。外部の圧力や自分自身の欲望や悪い感情に翻弄されているかも知れません。明確な境界線を設定して、自分の限界を知りましょう。そして、自分の戦車の手綱を放してはいけません。今は目的の達成のために集中すべきときなのです。

戦車の解釈

テーマ毎に「戦車」を引いたときの解釈についてまとめます。

現在の状況

勢いに乗っている/やる気に満ちている/すぐに動き出すべき/新しい目標に向かう/障害を乗り越えるパワーがある/自分自身と戦うとき

コントロール不能の状況/後先考えずに見切り発車している/進路を選択すべきとき/間違った方向に進んでいる/恐怖心により出発できない/あてなくふらふらしている

人の気持ち

信念に基づいて行動している/新しいことに挑戦したい/自分の思いを伝えたい/成功したい/ぐずぐずしていたくない

進路に迷う/支離滅裂な思い/負けたくないという過剰な闘争心/先のことを考えると憂鬱になる

仕事

課題に立ち向かう/地位を勝ち取る/統率する/プレゼンや企画が通る/ライバルに勝つ

企画倒れ/打ち負ける/ミス/分岐点に立つ/空中分解する

恋愛

一気に進む/猛烈なアプローチ/思いをぶつける/障害に打ち勝つ/威勢の良い人

傷つけ合う関係/ケンカばかり/短気な人/恋のライバルに負ける/暴走する思い

アドバイス

一点に集中する/もっと勇気を出して/リーダーシップを発揮するべき/一度手をつけたら一気に進めることが大事/勝算は十分にある/己に打ち勝って

このままでは失敗しそうなので計画を見つめ直して/無理して進めず再検討しよう/自分の気持ちをコントロールして/周囲を見て状況判断を

戦車に関するデータ

戦車と占星術

蟹座(月に支配される水のサイン)

蟹座は「母性愛」を象徴する星座です。家庭愛を大切にする、深い愛情と理解を備えた星です。守りは硬いのですが、一旦仲良くなると仲間意識が強く、何かあったら駆けつけてくれるような存在です。信頼関係を築いた者に対して、意識を集中させるためそれを害する者に対しては攻撃的、排他的になってしまいがちです。

【エレメント】水

【蟹座の期間】
トロピカル方式:6月21日~7月21日
サイデリアル方式:7月16日~8月17日

戦車と数秘術

7(7戦車)=1+6(16塔)

数秘術の7は評価、熟考、再評価、出発点に立つ、強みを探すといった象徴的な意味を持っています。

戦車と神話/元型(アーキタイプ)

ヘカテ(ギリシャ神話)、美徳の御者、キャンサー、蟹、馬車(魂の三分説:理知、気概、欲望)

戦車の絵柄の解釈

背景

戦車の背景色には黄色が使用されています。

黄色に惹かれる時は、黄色の持つ「明るく」「オープン」なムードにシンパシーを感じている時かもしれません。黄色は「太陽」の色です。空の中央で「堂々と自分の光を放出」する太陽のような「解放的」で「独立した」色なので、「自己の放出(自己主張)」すべき時にサポートしてくれます。また黄色の「光」は「知性」「知識」も意味します。黄色は「知識を探求する」「好奇心を満たす」ことから「喜び」を生み出します。オレンジの「五感刺激」とは異なり、黄色は「精神的刺激」を求める色なのです。黄色に惹かれる時期は何かを「学んだり」「知識を増やしたり」するのに向いています。第3チャクラから言えば、黄色は「個人の意思」を意味します。組織の歯車ではなく「自分と言う個性を発揮する」「自分の生き方を決める」そんな覚悟を問われている時、黄色はサポートしてくれます。

white-tara.comより引用

自分の目標に向かって突き進むということは「自己主張」の一つでしょう。また、その先には大きな「喜び」が待っていると考えることが出来るでしょう。戦車のカードは自分の進むべき方向性を定めることを促しています。自分の個性を発揮するためにはどの方向にエネルギーを集中させるかを考えましょう。

黄色は「意志」の色ですが、「過剰に」惹かれてしまうと「個人の意思を貫き、周囲との不調和」を生み出す色でもあります。「個」であるということは「孤独」と背中合わせなのです。

white-tara.comより引用

意志の力は強力ですが、自分の中には欲望や野心も同じように存在していることを認めてください。それらの感情との不調和が起こってしまうとエネルギーがあちらこちらに分散してしまい、どこへも進めなくなってしまいます。

表情と服装

戦車のカードには真っすぐと前を見据えた青年が描かれています。

幌に散りばめられた星の模様、さらに額の王冠には大きな一つ星があしらわれています。彼は意気揚々と明るい将来だけを見据えているようです。衣服の中央に見られる正方形の胸当ては、旧約聖書に見られるアロンの裁きの胸当てをモデルにしたとされ、勝利、凱旋を表すとともに、宗教上の儀式、行列を意味するものです。両肩の肩当てに象られた月は、全体から見て不安要素や持続性の無さを表しています。

奥の方に見える城は彼の生家です。向かう先は天蓋に描かれている天界です。肩当ての月に込められた不安の内容は旅を諦めて元の場所に戻ってしまうということに関してのものだと言われています。ベルトが斜めになっているのは、それを整える暇もなく衝動的に行動をしてしまっていることを示しているのかも知れませんね。

二頭のスフィンクス

戦車のカードには黒と白の二頭のスフィンクスが描かれています。低次元の本能が黒、高次の理念が白のスフィンクスとされていて、それを御する人間との3点に焦点を当てれば、「5 教皇」の肉体と霊と魂の三位一体の思想とも結びつきます。

この2頭のスフィンクスは手綱に繋がれていない為、好き勝手に動き回ってしまうことが予想されます。馬車の上の若者は力づくではなく統率能力を持ってこの2頭を制御しなければならないのです。

城と戦車を隔てる川

後ろに見える都市と戦車の間には川が流れています。この川は境界線になります。ここで戻ってしまうと彼は目的に向かうエネルギーを失ってしまうかも知れません。背水の陣のようなイメージです。不退転の気持ちで目標に集中することが求められています。彼は既に戦車に乗ってしまっているため前に進むか、後ろに退くのか、その二択しかありません。

戦車についたマーク

戦車の前方には独楽のマークが見られます。この独楽の上部にあるのは、古代エジプトに見られる翼のついた太陽のシンボル「有翼円盤」。この2つの絵柄は、人間が持つ衝動性が純化され高次の力へと昇華されたものであることを示しています。もしかしたら衝動的な始まりなのかも知れませんが、この旅で彼は何かを掴むでしょう。

マルセイユ版との比較

ウェイト版
マルセイユ戦車
マルセイユ版

この二つの版での大きな違いは車輪の方向です。マルセイユ版では車輪が横を向いていることで前に進むことが出来ない状態になっています。ここから戦車に乗っている者が自分の目標しか見えていない未熟さをもった人物という意味も持っています。マルセイユ版は一説によると凱旋パレードの様子と言われています。

ウェイト版では車輪も縦向きになり、出発の様子をあらわしています。二頭の馬はスフィンクスに変更され、そこから自身の感情のコントロールという意味合いも追加されました。マルセイユ版で描かれている戦車は馬と台座が一体になっていること等から、“地上を走るための乗り物ではない”といった解釈が行われます。

参考文献
タロット辞典(毎日新聞出版)
78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット(日本文芸社)

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この記事を書いた人

「Stella Maris」オーナー。占いとカフェが好きなので混ぜました。占いはタロット(ウェイト、トート)、ルノルマンカードを中心に行います。タロットカードの絵柄に魅せられ、将来はオリジナルのタロットカード(フルデッキ)を創るのが今のところの夢です。このサイトではあなたの「指針」となるような記事やコンテンツを作成していきます。

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