世界の基本情報
「長い時間をかけた末の完成」
世界のメインキーワードは「完成」です。愚者から始まった大アルカナの旅はこの世界で終結します。なにかを成し遂げるためには相当な努力が必要です。そして、結果だけでなく成し遂げるために通ったプロセスの充実感も大切なポイントになります。このカードは辿り着いた末に見える最高の景色をあらわしています。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
世界の正位置の意味
正位置の世界は、人生における重要な目標や目的を浮き彫りにしています。自身の成長における重要な段階にさしかかっており、成功を収めるには全身全霊を捧げる必要があります。世界のカードは叡智を目指す愚者の旅の終点を示しています。このカードへの到達は完成、悟り、成功のしるしであり、あなたはエデンの園に戻ろうとしているのです。
世界の逆位置の意味
なんらかの理由で、大事な目的地に向かう旅が妨げられているか遅延している状況を示唆しています。もしかすると、自分の限界に気づかず、現実的な目標を立てることができていないのかもしれない。再び前に進むためには自分を押しとどめているものを検証して立ち向かう必要があります。あなたは今、完成するにふさわしい姿勢や言動をしていますか?
世界の解釈
テーマ毎に「世界」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
世界に関するデータ
世界と占星術
土星(山羊座と水瓶座を支配する)
土星はもっとも外側にある視認することができる惑星です。まだ土星より先の惑星が発見されていなかった時代は土星が宇宙の境界、つまり制限だと考えられています。土星は、そのまま制限を意味し、人生における課題を与える天体です。古代の占星術では、土星を凶星として人生の不幸と結びつけてきました。しかし現代では、人が成長するためにとても重要な星として扱われています。
山羊座は組織の力を重視しており、高い統率力、指導力、責任感となって現れます。 その意味で、目的の達成や社会的成功という意味もあります。水瓶座は山羊座で完成された現実的な枠組みを再度相対化して、既存の枠組みの中から抜け出す性質があります。つまり制限や到達点を抜け出す存在なのです。
【エレメント】地
世界と数秘術
3(3女帝)=1+2(12吊るされた男)=2+1(21世界)
数秘術の3は繁殖力、共同事業の最初の成果、協力的努力、三者の結びつき、新たなものの創造、補足し合うペアを結びつけることによって得られる成果といった象徴的な意味を持っています。
世界と神話/元型(アーキタイプ)
世界の絵柄の解釈

月桂樹で作られた輪
この輪は「宇宙卵」をあらわしていると言われています。世界は卵から誕生したといういわゆる「宇宙卵型」の創造神話は、インド、イラン、中国にもあり、更にフィンランド、ポリネシア、インドネシア、南アメリカなどにも見出されるなど、広い分布を持つ天地創造神話の重要なタイプの一つです。この神話は、『日本書紀』の冒頭の、記述の中にも採り入れられています。
中心に存在する人物

輪の中心にはあまり大きくないワンド2本を手にした人物が描かれています。この人物は見た目は女性のようなのですが、局部が布で隠れているため両性具有説もあります。2本のワンドは今までも描かれてきた異なる性質のものの象徴とも考えることが出来、この人物は穏やかな笑顔を浮かべ満足しているように見えます。
外周の四元素


「10運命の輪」と同じように四隅には四元素を象徴する「天使=風」、「鷲=水」、「牛=大地」、「ライオン=火」が取り囲んでいます。それぞれ運命の輪の時点では来るべき世界に向けて勉強中の姿が描かれていました。そして世界では成長した姿が描かれています。
マルセイユ版との比較


最終カードである世界は2つの版で同じ構図をとっています。「19月」と同じくウェイト版作成時に構図を変更しなかった1枚でありますが、月などは多少の変更点が見つけられるのに対して、この世界はモチーフも含めてほとんど変更がありません。
四隅に描かれた天使・鷲・牛・ライオンは各々四福音書ないし福音記者の象徴であり、「天使=聖マタイ」、「鷲=聖ヨハネ」、「牛=聖ルカ」、「ライオン=聖マルコ」です。この4つの象徴は四角形の四隅に配置され中心の人物を見守るかのように描かれています。
解釈のひとつとして、中心の人物は新たなる目的に向けて旅に出るべく再び、もとの場所から再スタートを切るというものもあります。この説によるとこの「世界」は終わりであると同時に始まり。つまり全ての事柄には「終わり」というものは存在せず輪廻転生を繰り返すことで限りなく「終わり」へと近づいて行くことが重要であると暗示しているのです。
コメント