女教皇の基本情報
「秘密の叡智の守護者」
女教皇のメインキーワードは「精神性」です。勉強熱心な女教皇は「こうありたい」という高い目標を掲げて、実現のためには何をすればいいのかと考えています。またこのカードは女性の直感と相手に共感する感受性を表しています。彼女は高い洞察力と勤勉さをもって秘密のベールを取り払っていく存在なのです。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
女教皇の正位置の意味
正位置で出た場合は、本来持ち合わせている知性と理性を使って問題に向き合っていることを表しています。そこには曖昧さや偏りはなく、公平に判断をすることが出来ます。彼女は白黒はっきりつけたいと思っており、それを実現する能力を持っているのです。
女教皇の逆位置の意味
逆位置では重要な情報が隠されているか、視界を遮られているという警告を表しています。視界を遮られるというのは、彼女自身の認識に歪みが生じており正常な判断が出来ないということです。それが女教皇の完璧主義な一面からくるのか、それとも曖昧さの受容からきているのかを考えてみましょう。
女教皇の解釈
テーマ毎に「女教皇」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
女教皇に関するデータ
女教皇と占星術
月(水のサインの蟹座を支配する)
月はありのままの素の自分を表しています。太陽が表面に現れる「自分らしさ」に対して、月は内面的なものを象徴しています。太陽と月は相反する存在になっていて、動と静、顕在意識と潜在意識というように比較されます。女教皇の神秘性は月がもつ表から見えない特性にリンクしています。
また月は蟹座を支配しています。蟹座は共感力・感受性の高さを表しています。よく愛情深いとか母性愛の星というように解釈されていますが、それは感情のエネルギ―が高いこととも関係しています。普段の蟹座は穏やかな印象ですが、一度ダムが決壊すると水が流れ終わるまでは自分の考えを曲げない頑固さを持っています。良くも悪くも極端なので、周りからはそれが情緒不安定に見えてしまうこともあるかも知れません。
【エレメント】水
女教皇と数秘術
2(2女教皇)=1+1(11正義)=2+0(審判)
数秘術の2は二重性、協調、結びつき、選択、決断、バランス、立案、ふたつのものの中間、中立の立場といった象徴的な意味を持っています。
女教皇と神話/元型(アーキタイプ)
女教皇の絵柄の解釈
背景
女教皇の背景色は青です。背景には大空と海が同じ色味で描かれています。
青色に惹かれる時は、「青空」のブルーの持つ「穏やかな静けさ」「平和」にシンパシーを感じている時かもしれません。「精神性」「哲学」の色でもあるブルーは「内向」の色。「生きている意味」を心の内に探している時や「自分の人生を信頼」すべき時期にサポートしてくれます。
white-tara.comより引用
青色は内向の色として「精神性」を意味しています。女教皇のカードも自分の内面にある「内なる声」をしっかりと聞くことを私たちに勧めてきます。青色に囲まれた女教皇もまた自分と向き合っている最中なのかも知れませんね。
青色に惹かれる時は「自分を顧みる」時期だったり、「誰かに自分を理解してもらう必要性」がある時かもしれません。「受け入れて、手放す」ブルーのエネルギーは、「自分の想いを語る」ための内外のサポートをしてくれるのです。
white-tara.comより引用
何かを手放すためには一度受け入れる必要があります。しかし、普通はどんな人でも受け入れられないものや目を背けたくなることがあるでしょう。女教皇の精神性の高さはネガティブと向き合える強さとそれを受け入れることのできる器の大きさによって成り立っているとも言えるでしょう。
表情と服装
女教皇のカードに描かれているのは目を見開き、口を真一文字に結んだ女性です。その表情からは強さと厳格さが感じられます。彼女はその目で真実を見通そうとしているようにも見えます。服装は薄い水色のローブとなっていますが背景にも使用されている青が印象的ですね。この衣装からは彼女の冷静さが伝わってくるようです。
頭に被った冠は女神や女性神を象徴する三日月です。これは彼女の足元にもそのまま三日月のモチーフが描かれていますね。冠の円形部分は太陽の円盤として描かれています。太陽と月は相反するものの象徴とも読むことも出来、彼女はもしかすると自分の役割(顕在的な物)と気持ち(潜在的なもの)の間で悩んでいるのかも知れません。
手には巻物を持っていますが、これはユダヤ教の正典「TORA」(トーラー)です。巻物は閉じられた状態で半分がベールに包まれています。「TORA」は神と人間の約束事、掟を表しています。ベールに包まれた状態ということで「宇宙の真理というものは、人間には容易に理解できない」ということを示していると考えられています。彼女は「TORA」を広げようとしているところでしょうか?それとも閉じているのか?そこがどう見えるかによってもこのカードの解釈は変わりそうですね。
BとJの柱と垂れ幕
このカードの中で最もインパクトがあるのは女教皇の後ろ左右にある白と黒の柱です。黒い柱にある「B」は「ボアズ (Boaz)」で闇を、白い柱にある「J」は「ヤヒン (Jachin)」で光を意味しています。
それぞれエルサレム神殿にあったとされる同名の柱に由来していて、この2本の柱が門柱を形作っており、その先には聖域が広がっていると考えられています。女教皇はその聖域の門を守っている存在でもあるのです。
またその間には垂れ幕が下がっています。垂れ幕に描かれているのはザクロとナツメヤシです。ザクロは女性性を象徴している(と書かれていることが多い)のですが、一方でナツメヤシは男性器を象徴しています。つまりは男性器と女性器。女教皇のカードには黒と白、男性と女性といった相対的なモチーフが散りばめられ緊張感を高めています。
「生命の神秘」という言葉がありますが、この垂れ幕もまた女教皇の存在によって「TORA」と同じように隠れている状態です。隠されたもの=秘密の象徴です。また女教皇は垂れ幕に背を向けるように描かれており、その姿勢が彼女の高潔さを際立たせています。
マルセイユ版との比較
女教皇はあまり配置は変わっていないのですが、色は全体的に青を強調するものに変わっています。青の衣装は聖母マリアを彷彿とさせるものとなっています。どちらの女教皇も手には書物を持っていて前述したようにこれは「TORA」だと言われています。書物は「高度な知識や学問の象徴」であり、この女性が高い知性をもってこの地位にいることを示しています。
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