魔術師の基本情報
「下のものは上のものの如く」
魔術師のメインキーワードは「創造力」です。無から有を創り出すクリエイティビティを示しています。目標達成に必要な知識とスキルを兼ね備えている大きな意志を持った人物を示唆しています。自ら行動を始めるだけの能力とそれによる自信を併せ持っている状態とも言えます。ここから世界を創っていく始まりも表しています。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
魔術師の正位置の意味
正位置で出た場合は、目的意識を持って自発的に行動をしていくことをカードが後押ししています。あなたはスタートラインに立っています。スタートラインに立てる人も実は限られているんです。アイデアを効果的な行動に変容させる力を持っていますので積極的に行動していきましょう。集中力も研ぎ澄まされています。
魔術師の逆位置の意味
逆位置では高潔とは言えない目的のため、自分の力を使う恐れが出てきます。魔術師が持つ大いなる意志が利己的な方向を向いてしまっている状態とも言えるでしょう。自信を喪失してしまい、意志の力が弱まっているのかも知れません。魔術師がクリエイティビティを発揮するには能力よりも何を成し遂げたいかの方が大切なのです。
魔術師の解釈
テーマ毎に「魔術師」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
魔術師に関するデータ
魔術師と占星術
水星
水星は知性やコミュニケーションを象徴する惑星です。コミュニケーションを円滑に取るためには様々な能力が必要になります。水星は太陽に一番近い星です。占星術での太陽は「自分らしさ」を表しています。その太陽から一番近い水星は太陽が持つ自分らしさをどう伝えていくかを考えているわけです。
また水星は双子座と乙女座を支配しています。双子座は知性やコミュニケーション、そして多芸多才というキーワードを持っています。一方で乙女座はグループ視点の強い星です。自分が属するコミュニティの中で実際的な見地からコミュニティの役に立つように自分をコントロールすることが出来る能力があります。
【エレメント】風
魔術師と数秘術
1(1魔術師)=1+0(10運命の輪)=1+9(太陽)
数秘術の1は最初の火花、意志、創造、ひらめき、始まり、新たな命、誕生、可能性の最初の兆候といった象徴的な意味を持っています。
魔術師と神話/元型(アーキタイプ)
魔術師の絵柄の解釈
背景
魔術師の背景色は黄色です。
黄色に惹かれる時は、黄色の持つ「明るく」「オープン」なムードにシンパシーを感じている時かもしれません。黄色は「太陽」の色です。空の中央で「堂々と自分の光を放出」する太陽のような「解放的」で「独立した」色なので、「自己の放出(自己主張)」すべき時にサポートしてくれます。また黄色の「光」は「知性」「知識」も意味します。黄色は「知識を探求する」「好奇心を満たす」ことから「喜び」を生み出します。オレンジの「五感刺激」とは異なり、黄色は「精神的刺激」を求める色なのです。黄色に惹かれる時期は何かを「学んだり」「知識を増やしたり」するのに向いています。第3チャクラから言えば、黄色は「個人の意思」を意味します。組織の歯車ではなく「自分と言う個性を発揮する」「自分の生き方を決める」そんな覚悟を問われている時、黄色はサポートしてくれます。
white-tara.comより引用
魔術師も愚者と同じく黄色の背景を持っています。堂々と自分の光を放出するような魔術師の持つ自信や能力を表しているように感じます。基本的にタロットで黄色が使われている場合は喜びの感情を表現しています。
黄色は「意志」の色ですが、「過剰に」惹かれてしまうと「個人の意思を貫き、周囲との不調和」を生み出す色でもあります。「個」であるということは「孤独」と背中合わせなのです。
white-tara.comより引用
ネガティブな面の意味では自己主張が過剰になってしまうことによる不調和を象徴しています。魔術師は先頭を進む分、周りの人の賛同を得られなければ孤立無援の状態になってしまいますので注意が必要です。
表情と服装
魔術師のカードに描かれているのは端整な顔立ちの若い男性です。真正面をしっかりと見つめた彼は自信に満ち溢れているように見えます。彼の正体は祭壇上に祭具を献納する術士です。ちなみにマルセイユ版の魔術師のカードは大きな帽子を被った胡散臭い男性が描かれていて魔術師というより奇術師や手品師といった風貌です。
彼は聖衣を身にまとっています。赤が印象的ですね。赤は「火」の色であり「奮起し自ら立つ」色です。 他人がどうしようが関係なく、自分の気持ちを素早く行動で表すのです。もう一つ、目を引くのは頭の上に浮かぶ∞のマークと腰に巻かれたベルトでしょうか。∞のマークは「三位一体」を意味しています。そして、ベルトは自らの尾を食べるウロボロスの姿をしています。この二つのシンボルは共に無限性・永劫性を表しています。
天と地を指すポーズは神と人間の間に立つメッセンジャーであることを示しているようでもあります。「下なるものは上なるもののごとく、上なるものは下なるもののごとし」という言葉は錬金術の基本原理であり、全ては連動していることを表しています。
机の上のアイテム
机の上にはワンド、ソード、ペンタクル、カップ。タロットカードの小アルカナで使用する象徴がすべて揃っています。そしてこれらのシンボルは世界を構成する四大元素(火、風、土、水)を意味しています。つまり、この場には何か成す為に必要なものがある状態で、あとは行動を起こすだけということが示されています。机の上に並べられていることで魔術師はいつでもこれらのパワーを利用することが出来るのです。
赤い薔薇と白い百合
周囲に生えている花は赤い薔薇と白い百合です。アーサーウェイトはこの薔薇と百合を「野心の開拓を表す」と述べています。一般的に赤い薔薇は「情熱」、白い百合は「純潔」「威厳」という意味を持っています。この花は自然に生えているのではなく、丁寧に育てられているように感じられます。彼の自信やスキルは努力の結果、培ってきたものと考えることも出来そうですね。
マルセイユ版との比較
ウェイト版とマルセイユ版では大きく絵柄が変更されています。マルセイユ版では大きな帽子(これも∞を形作っている)を被っている派手な衣装の男性が描かれています。彼は奇術師でテーブルの上にはナイフや数枚のコイン、賭博などもやるのかサイコロとコップなどが並べられ、それらが入っていたと思われるカバンも置かれています。カバンからは布のようなものが飛び出し、中にまだ何か入っているようです。
マルセイユ版では奇術師が今から自分の技術を人前で披露する直前の様子が描かれていて、その為の準備もしっかりと出来ている状態をあらわしています。大きな意味合いは変わりませんが魔術師が持つ神秘的なイメージはなく、どちらかというと俗っぽい感じですね。
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