皇帝の基本情報
「現世における最高権力者」
皇帝のメインキーワードは「社会性」です。皇帝は地上における最高権力者を示しています。カードが象徴するのは権威や意志、組織などです。物事を成し遂げる方法を知っている支配者である彼は超現実主義者。心よりも頭で判断するタイプです。明確なゴールを定めて、行動を起こすことが安定した結果をもたらします。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
皇帝の正位置の意味
正位置で出た場合は、建設的な努力によって、コミュニティを安定させることが出来ている状態です。ここでいうコミュニティとは家族や会社、サークル、学校など複数人の人が集まるものです。他の人たちを活かしながら、自分の責任を果たすことが出来ており、結果として結束も高まっている状態です。
皇帝の逆位置の意味
逆位置では上から他の人たちを力で押さえつけてしまうような支配的な側面が強まってしまいます。利己的に行動してしまい、人を不当に扱ったり、杜撰な計画によってコミュニティを危機に晒してしまうかも知れません。何とか保っていたとしても信頼関係は徐々に失われています。
皇帝の解釈
テーマ毎に「皇帝」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
皇帝に関するデータ
皇帝と占星術
牡羊座(火星に支配される火のサイン)
牡羊座は「溢れるパワー」を象徴しています。燃え上がるような情熱で、物事を一気に推し進める力を持っています。活動宮に属しており、ここに属するもの自ら行動をすることが得意です。これは皇帝の物事を成し遂げる能力とリンクします。火の牡羊座は一年のサイクルの最初のサインであり、先頭に立つだけの指導力を持ったエネルギッシュな存在です。
【エレメント】火
【牡羊座の期間】
トロピカル方式:3月20日~4月19日
サイデリアル方式:4月14日~5月13日
皇帝と数秘術
4(4皇帝)=1+3(13死神)=2+2(愚者)
数秘術の4は構造、安定性、秩序、論理、基礎、明示、解決すべき問題、耐える力といった象徴的な意味を持っています。
皇帝と神話/元型(アーキタイプ)
皇帝の絵柄の解釈
背景
皇帝の背景色は赤色です。
赤は「火」の色であり「奮起し自ら立つ」色。他人がどうしようが関係なく、自分の気持ちを「素早く」「行動で」表します。何かを「スタート」させたい時や、わき目も振らずに「前に突き進む」必要がある時、問題・課題を打ち破り「現状を変えようと」している時は、「ストレート」に「邁進」する赤い「火」のパワーは心地よく感じます。また自分が「前に出る」「主導権を握る」ことで、他者を「先導する」「リーダーシップ」を取る立場にある時も赤が気になります。
white-tara.comより引用
皇帝のカードの背景色は赤色が使われています。主導権を握ることやリーダーシップに関連性がありそうですね。赤は行動力の象徴でもあります。エネルギーを感じさせる赤色が皇帝の権威や力強さを強めています。
赤色はとても強い能動のパワーを持つので「怒り」「いらいら」「フラストレーション」を表しているかもしれません。シンプルでストレートな色なので、「猪突猛進」「独善的」になりやすく、後先考えずに動き始めて周囲に敵を作ってしまったり、「気づけば後ろに誰も着いて来ない」状態になりやすい色です。
white-tara.comより引用
赤のネガティブな側面にも注目してみましょう。よく見てみるとカードの背景は火のように揺らめいています。炎が強まってしまうとマイナス面の影響が大きくなってしまいますので、立ち止まって心を静め、イライラや怒りを解消していきましょう
表情と服装
皇帝のカードに描かれているのは口ひげを蓄えた威厳たっぷりの男性です。両目で見開いた彼の表情からは自信と強いリーダーシップが感じられます。このカード、正面ではなく左側を横目で見ているという説もあります。マルセイユ版での皇帝は左側を向いた姿で描かれるのでその名残でしょうか?左側は過去を示しており、過去としっかりと向き合い努力した結果、結果として、皇帝は現在の地位を手に入れているのです。
右手に持っている王笏は十字と円で構成されるエジプト十字(アンク十字)を連想させるもので、「生命力」「多産性」を表す記号として扱われます。「生きること」を象徴する記号として護符(お守り)や装飾の図柄として良く使われます。左手に持っている球体は地球をあらわしていて、彼が大きな権力を手にしていることを示唆しています。
彼はカリスマ性を意味する赤い服を着ていますが、その下には甲冑を身に纏っています。玉座にいるときも彼は常に臨戦態勢。座っていても落ち着いているわけではなく、いつも気が張っている状態なのです。
険しい山々
背景に描かれる険しい山は現実社会の厳しさや日々の生活の上での戦い、つまりは人間社会の試練を象徴しています。後ろ側にあることから皇帝が今の地位を得るまでに通ってきた道のり、厳しい戦いの末に現在の安定した立場を手に入れたと考えられます。山の麓には川が流れていますが水量は少ないようです。彼は情に流されることなく論理的に物事を進めるのでしょう。
椅子の羊の装飾
皇帝が座る椅子には羊の装飾があります。これは牡羊座を示しています。牡羊座がどんなイメージに繋がるかは占星術の項目に書いたのですが、台座についた四つの羊のモチーフを線でつなぐと四角形になります。この四角形は安定を意味しています。そして、古今東西4という数字はすべてをあらわします(東西南北、春夏秋冬、火風土水の四大元素など)。皇帝はそんな偉大な数字を背負っているのです。
マルセイユ版との比較
マルセイユ版では男性はこちらに体の左側面(無意識の側)を向けゆったりと足を組み、自分の内面をさらけ出すことになんらためらいを見せない堂々とした態度を取っています。身体や玉座の向きなど全体の構図が左(象徴的に過去・内面)を強調していることからやや後ろ向きな印象を与えられますが、自分の内面や過去の出来事に真正面から向き合っている様子にも見えます。
よく見ると、どちらの版でも皇帝の視線は手に持った球体に向けられています。球体は「地上的な現実」をあらわすモチーフなので彼が責任感をもってこの現実を受け止めていることを示しているようにも解釈できます。
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