女帝の基本情報
「豊穣をもたらす産道の女神」
女帝のメインキーワードは「愛」です。愛と美と実りすべてを味わう女性が描かれています。すべてを受け入れる包容力と見返りを求めずに他者に与える愛が、繁栄をもたらすことを意味しています。大地で生きることの喜びが表されているカードです。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
女帝の正位置の意味
正位置で出た場合は、あらゆる豊かさを受け取り、味わうことを意味しています。ガツガツして獲得するというものではなく、余裕をもって当たり前のものとして自然体で受け取ることが出来ます。愛し愛される関係性や十分な実り(お金)などあなたは手に入れるべくして、それを手にします。
女帝の逆位置の意味
逆位置では豊かさが過剰になっている状態を表します。与えられるものに対するありがたみを忘れ、感謝の気持ちがなくなりつつあります。この状態が続いてしまうと、生活は怠惰になり、本来の魅力も半減してしまいます。一方で自分が望んでいるものと比べて豊かさが不足し、それを渇望している状態を意味することもあります。
女帝の解釈
テーマ毎に「女帝」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
女帝に関するデータ
女帝と占星術
金星
愛と美の女神(牡牛座と天秤座を支配する)
金星は愛や調和を表しています。金星は愛や絆であらゆるものと繋がろうとしています。何か行動を起こすとき、そこには何かしらの感情や愛があるはずです。金星は太陽と月を除いた中で最も明るい星です。そこから金星は優美さや美しさの象徴でもあります。金星を使いこなせていると、芸術的な分野でセンスを発揮したり、バランスや調和のとれた生活を送ることができると言われており、女帝の物質的な豊かさにも繋がっていきます。
金星は牡牛座と天秤座を支配しています。牡牛座は自分が望むものを手に入れるまでは、辛抱強く、諦める事無く耐え続けチャンスを待つことの出来る特性を持っています。現実的なエネルギ―や豊かさを象徴しているとも言えるでしょう。天秤座はそのまま調和と均衡を象徴します。このサインは洗練さや芸術性、魅力といった性質をもたらします。
【エレメント】地
女帝と数秘術
3(3女帝)=1+2(12吊るされた男)=2+1(21世界)
数秘術の3は繁殖力、共同事業の最初の成果、協力的努力、三者の結びつき、新たなものの創造、補足し合うペアを結びつけることによって得られる成果といった象徴的な意味を持っています。
女帝と神話/元型(アーキタイプ)
女帝の絵柄の解釈
背景
女帝の背景色は黄色です。
黄色に惹かれる時は、黄色の持つ「明るく」「オープン」なムードにシンパシーを感じている時かもしれません。黄色は「太陽」の色です。空の中央で「堂々と自分の光を放出」する太陽のような「解放的」で「独立した」色なので、「自己の放出(自己主張)」すべき時にサポートしてくれます。また黄色の「光」は「知性」「知識」も意味します。黄色は「知識を探求する」「好奇心を満たす」ことから「喜び」を生み出します。
white-tara.comより引用
女帝のカードの空は黄色で描かれています。黄色は喜びの色です。また彼女の内面から溢れ出る魅力を象徴しています。
インドのカーストでは、黄色は農民の色・ヴァイシャを意味します。土を耕し生きる色です。五大でも黄色は「地大」。大地という「宝庫」をあらわします。地大のラトナサンバヴァ~宝生如来~は、「宝から生まれた者」という意味を持ちます。
white-tara.comより引用
女帝のエレメントは地ですが、黄色にも大地のイメージがあります。大地は豊かさにリンクしています。自ら耕し、手入れをしていくことで得られる実りは大きなものになっていきます。
黄色は「意志」の色ですが、「過剰に」惹かれてしまうと「個人の意思を貫き、周囲との不調和」を生み出す色でもあります。「個」であるということは「孤独」と背中合わせなのです。
white-tara.comより引用
女帝の魅力が輝けば輝くほど、豊かさを享受するほどに周囲との不調和は大きなものになる可能性があります。自分が持っている豊かさを独占するのではなく、周囲に分かち合うことを意識することが重要なポイントとなります。
表情と服装
女帝のカードに描かれているのは柔らかな表情を浮かべた女性です。満足げで余裕のあるように見えますね。女帝は女性らしい体型をしていて母性や愛を象徴しているようです。椅子にも深く腰掛けていて安心感を感じさせます。金色の髪は彼女本来の美しさや魅力はあらわしています。
彼女が来ている服は体型があまり強調されないゆったりとしたものになっていて一見すると妊娠しているかのようにも見えます。白い衣服に描かれているシンボルは女性性と豊穣をあらわすザクロです。ザクロはぎっしりと実をつけることから「子孫繁栄」という意味を持つ果実でもあります。
手に持っている黄金の錫杖はマルセイユ版では「地上的な現実」を表すとされる球体と「霊」を表すとされる十字架が取り付けられているのですが、ウェイト版では見られません。冠には12個の星の飾りが付いていて、12星座をあらわしています。またこの冠は勝利の月桂冠。女性としての幸せという意味も持っている女帝は様々な実りを体現しています。
ハートの盾
女帝が傍らに置いている盾はハート形をしています。これはそのまま彼女の愛情深さを象徴しています。その盾に描かれているマークは金星のシンボルです。女帝は強く金星の影響を受けています。金星は占星術で女性を占う場合、太陽や月と同じくらいその位置は重要になり、女性性と馴染みの深い惑星なのです。
豊かな稲穂と自然
女帝のカードの下部には黄金色に実った稲穂が描かれています。ここには大地からもたらされる実りの意味が込められています。大地は時間をかけて堅実に進めていった結果、実りをつけます。女帝はなんの苦労なく豊かさを手に入れたわけではなく自分の魅力を高めたりといった行動の結果として手にしているのです。
このカードは大自然に囲まれた場所が描かれています。大地がなければ、実りは生まれず収穫を望むことは出来なくなります。この場所も女帝が持つ現実的な豊かさを象徴しています。ちなみに個人的に気になるのは右側にある川です。これはかなり遠くの方から流れてきているよう。
そして左側から流れてきた水が最後上から下へ落ちているようにも見えます。水は心を比喩しており、豊富な水量は彼女が愛情に溢れていることを意味しています。森の中の水は循環し続けています。ここからこの豊かさは共有することで拡大し、更なる実りをもたらすと考えられるでしょう。
マルセイユ版との比較
マルセイユ版では王冠を被り玉座に腰掛け黄金の錫杖と鷲の紋章が入った盾を手にしている構図で描かれています。盾に描かれた黄金の鷲は王家の紋章として広く採用されるモチーフであり、王冠とともに権力の象徴として描かれています。
黄金の錫杖には「地上的な現実」を表すとされる球体と「霊」を表すとされる十字架が取り付けられています。また、玉座自体が女性の背中から生える一対の羽のように見えます。
ウェイト版では盾は足元に置かれていて、マルセイユ版よりも十分に余裕が感じられますね。どちらの版でも女教皇が純粋に霊的な女性像(少女)を表すのに対し、このカードでは「霊的世界の中の現世的要素」としての女性像(母親像)を指しています。
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