タロットカード大アルカナ18「月」の意味と絵柄の解釈

目次

月の基本情報

「闇の中で蠢くものたち」

月のメインキーワードは「神秘」「混乱」です。月明りの下では視界がはっきりとしないように、状況がつかみにくく、はっきりしないような状態を指しています。何が起こるか分からないという状態はある意味神秘的でミステリアスですが、不安や混乱を引き起こす可能性もあります。あなたが見ているものが違う面をもっている可能性も示唆しています。

プラスのキーワード

幻影、ミステリー、ぼやけた、目に見えない影響、直接的な知識、物事は見た目どおりではない、自発的な変化、段階、循環、夢、想像、精神的な気づき、無意識の知識、内観、本能的直観、月経周期、恐怖に立ち向かう

マイナスのキーワード

混乱、欺瞞、過ち、幻影、明確さの欠如、非現実、漠然とした考え、懸念、最悪への恐怖、誤解、暗闇、寂しさ、悪夢、抑鬱、不安感、隠れた敵、曖昧さ、不安定、陶酔、薬物乱用、影の面、変動する状況、約束の不履行、女性の健康についての関心、闇の中で蠢くものたち

月の正位置の意味

正位置で出た場合は、あなたは現実を直視できていないかもしれません。自分の都合のよい幻想を現実に重ねてしまうようにして本来見るべきものを覆い隠してしまっています。感情も不安定になりやすいのでまずは心を落ち着けて、目の前のものをしっかりと受け止めるようにしましょう。

月の逆位置の意味

逆位置の場合、月の光が薄らぎ夜明けに近づいていきます。目の前にあった幻想を姿を消し、段々と実態が明らかになってきます。現実が見えてくると辛い思いをすることもあるでしょうが、いつまでも幻想のなかにいるわけにはいきません。現実をありのままで受け止めることで迷いや不安は晴れていきます。

月の解釈

テーマ毎に「月」を引いたときの解釈についてまとめます。

現在の状況

移ろいやすく不安定な運気/原因不明なモヤモヤ感がある/心配ごとを抱えている/見えていないことがある/だまそうとしている人が近づいてくる

いろいろな意味で目覚めのとき/目の前がクリアになって現実が見えてくる/不安が解消される/今までいた場所がしっくりこなくなる

人の気持ち

気持ちがはっきりしない/動揺している/漠然とした不安感がある/誰かに不信感を抱いている/隠したいことがある/見たいものしか見ていない

嘘に気づいていながら見て見ぬフリをしている/相手に幻滅している/我に返る/心の内を人に話したい

仕事

状況を把握できない/誤解を招く/ずさん/曖昧/保証がない

状況が見えてくる/冷静さを取り戻す/現実的にとらえる/問題の原因をさぐる

恋愛

不誠実な態度/偽りの恋/わけありの恋愛/隠れたライバル/ロマンティックなムード

偽りに気づく/急に気持ちが冷める/相手の本当の姿を知る/隠したい関係が露呈する

アドバイス

今は現実と距離をとってみて/うまくかわして言質を取られないように/見て見ぬふりをすることも大切/手の内は明かさないで

目を覚まして現実を見よ/本当はどうしたいのか、自分の心を確かめて/思い込みからの不安を追い払って/現実と妄想を分けて

月に関するデータ

月と占星術

魚座(木星と海王星に支配される水のサイン)

魚座は魚座は12星座の最後の段階の総まとめであり、それまでのあらゆる苦しみや苦労もすべて理解している段階であるため、自然と他者への優しさとなって現れます。それまでの経験を溶解し混合状態へと変化させていきます。ポジティブなイメージでは豊かなインスピレーションや優しさ。半面、すべての事柄が抽象的に溶解されていく段階ですので、混乱や非現実的といったネガティブな側面をもっています。

支配星の海王星がもたらす影響は特に理由もなく気付いたら感じている期待であったり、気付いたら出来上がっていた理想の姿として表面化します。無意識の部分に強く関係があり、幻想などのキーワードにつながります。

【エレメント】水

【魚座の期間】
トロピカル方式:2月18日~3月19日
サイデリアル方式:3月14日~4月13日

月と数秘術

9(9隠者)=1+8(18月)

数秘術の9は一桁の最後の数字、サイクルの終わり、最高点、成就、達成といった象徴的な意味を持っています。

月と神話/元型(アーキタイプ)

月の女神、世界の門番かつ夜の女王ヘカテ、月と出産と狩猟の女神ディアナ

月の絵柄の解釈

背景

月の背景色は薄い青色です。

「17星」のカードでも同じ色が使われていますが、星のカードの方がわずかに明るく塗られています。

背景には「16塔」のカードにも描かれた鬼火のような光が描かれ、遠くの方には険しい山々が描かれています。この山に至るまでの道のりも平たんなものではなく、厳しい道のりが予想されます。背後に描かれた二つの建物は「21世界」への入り口となる”門”を表し、まるで監視塔の様な威圧感をもって描かれています。

大きく描かれた月

カードに描かれた人面の月は母性的な印象を感じさせます。ただ、その表情は少し険しいようにもみえます。この月はどこか太陽のような描かれ方をしていて、洋の東西に関わらず古くから知られる月そのものの象徴として、陽に対する陰であることから、「陽への対立物」としての解釈がされます。

月を見上げる生物たち

カードの下部には月を見上げる二頭の狼と水からまさに上がってくるザリガニの姿が描かれています。右の狼は自己の内面における動物的本能を、左の犬は理性や社会性を象徴しています。この狼たちは月に向かって吠えているようですが、何を恐れているのでしょうか。二匹の狼は、心の中の「避けられない試練」の象徴。一対として描かれる2匹の犬は2棟の建物と共に双子の反復表現で、無意識の中から出現する像が、「月」において、より意識的に具体性を帯びてきたことをあらわしています。

ザリガニ(甲殻類)はカードの意味を方向付ける上で重要な役割を果たしています。ギリシャ神話では、カニがヘラクレスを川へと引きずり込もうとする等、甲殻類は人の意を介さない下等な生き物として描かれる。このザリガニはカードを見る者の側では無い方を向いており、いまだ完全に水から抜け出していない姿は、試練を超えていないことをあらわしています。

マルセイユ版との比較

18月
ウェイト版
マルセイユ月
マルセイユ版

このカードは二つの版の中で特に構図がほとんど変わりませんでした。主な相違点は、ザリガニの位置と全体の配色程度となっています。マルセイユ版ではザリガニが完全に水の中にいますが、これも試練を超えていない状態であることをあらわしています。

マルセイユ版では背景の建物の色合いが違い、新旧などの相反するものを指すと言われています。また大地は緑色ではなく黄金色に塗られています。これは前人未踏の大地を示し、黄金色であることから精神世界の事象、または理想化された状況を意味しています。

参考文献
タロット辞典(毎日新聞出版)
78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット(日本文芸社)

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この記事を書いた人

「Stella Maris」オーナー。占いとカフェが好きなので混ぜました。占いはタロット(ウェイト、トート)、ルノルマンカードを中心に行います。タロットカードの絵柄に魅せられ、将来はオリジナルのタロットカード(フルデッキ)を創るのが今のところの夢です。このサイトではあなたの「指針」となるような記事やコンテンツを作成していきます。

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