運命の輪の基本情報
「天の元の出来事にはすべて定められた時がある」
運命の輪のメインキーワードは「宿命」です。時間は常に流れていて、人間はそこから自由に逃れて自由になることは出来ません。不可避の運命の前では人間は無力なのです。この先もたらされるものがチャンスなのか混乱なのか、どちらにしても受け入れていきましょう。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
運命の輪の正位置の意味
正位置で出た場合は、幸運な流れがあることを示しています。思いがけないチャンスが訪れ、物事がトントン拍子に進むでしょう。ただしチャンスはいつまでも待ってくれるものではありません。目の前にチャンスがあらわれたときはその流れに乗り遅れないように掴み取るための行動を起こしましょう。
運命の輪の逆位置の意味
逆位置で出たときには、身に降りかかる出来事に混乱してしまったり、振り回されてしまったりしてしまうかも知れません。トラブルが発生してしまったときは早めに対処をして、これ以上の被害が出ないように気を付けましょう。運命が空回りしている状態ですので、正しい形に戻す努力をしていきましょう。
運命の輪の解釈
テーマ毎に「運命の輪」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
運命の輪に関するデータ
運命の輪と占星術
木星(木星は射手座と魚座を支配する)
木星は物事の拡大や発展を担当してくれる存在です。幸運の星としても有名で、自分の可能性や幸福感、生きがいを感じさせてくれる星なのです。自分自身を成長させ、高めようという意欲ももたらしてくれます。木星がもたらすものは具体的なラッキーというよりもチャンスを拡大させる方法という意味合いが近いようです。
木星は太陽系の天体の中では最も大きな惑星です。古代の人々も、木星の持つ大きさや強い光から成長や拡張、資産、豊かさといったイメージを持っていたようです。
魚座と射手座の両星座には、「今をフォーカスする」という視点よりは、「拡大や夢がある」という視点を持っています。もっというと両星座は、「現実の(境界)を超える」って意味では同じ意味を持っています。射手座の場合はそれが自分の外側に向けられており、魚座の場合は内側に向けられています。
拡大していくためにはサイクルを回す必要があります。流れを止めずに徐々に拡大させていくことが大きな目標を達成するためには必要不可欠なのです。
【エレメント】火
運命の輪と数秘術
1(1魔術師)=1+0(10運命の輪)=1+9(19太陽)
数秘術の1は最初の火花、意志、創造、ひらめき、始まり、新たな命、誕生、可能性の最初の兆候といった象徴的な意味を持っています。
ちなみに10という数はサイクルの完全な終了や前進と再生のための準備といった意味を持っています。
運命の輪と神話/元型(アーキタイプ)
運命の輪の絵柄の解釈
背景
運命の輪の背景には青い空ろ灰色の雲が描かれています。雲は円形に配置されており、これから空が快晴になるのか雲が厚みを増して曇天になるのかはっきりしていない状態です。状況はどちらにでも動く可能性があり、結果として起こる出来事に対しては受け入れて、対応していく他ありません。
表情と服装
運命の輪には人物は描かれていません。愚者から始まり10番目のカードではじめて人が描かれないカードが登場します。運命は人間の力で干渉できるものではないことを暗示しているようです。不在にもかかわらず運命は動き続けているのです。人間は登場しませんが描かれるモチーフはかなり多いカードです。
運命の輪とその周辺
カードの中心には輪が大きく描かれています。車輪の輻になぞらえて8本の放射線があります。8本の放射線のうち縦横四方向には錬金術の記号が施されており、上側は「水銀(☿)」、右側は「硫黄」、左側は「塩」という三元素、下側は「銅(♒)」を意味しており、三元素とそれを統合するものという四つ組の構成が採用されています。
円の縦横四方向に書かれている文字は様々に読むことができ、時計の12時の位置から90度ずつ時計回りに読むと「TARO(T)」(タロット)、反時計回りに読むと「TORA」(女教皇が持っていた書物の名前と一致)、6時の位置から時計回りには「ROTA」(輪の意味)と読むことができます。
輪の周辺には3つのモチーフが描かれています。頂点のところにはスフィンクス。スフィンクスは敵を打破する象徴として、守護神としての役割を持っています。破壊と支配の象徴でもあります。
輪の右側に描かれているのは、テュポンというギリシア神話に出てくる怪物です。運命の輪の左への回転に沿って上昇していく様子が見られます。反対側に描かれるのは「6恋人」でも邪悪な物、人を惑わすものの象徴として登場するヘビです。これは輪の回転によって沈んでいっています。
錬金術では地を這う低俗な蛇が、進化する過程でその姿をサソリに変え、さらに魂が昇華された結果、翼を宿し天に上がってワシに変成するものとされていました。そこから邪悪ながらも変成を遂げるもの、進化、変容の象徴とされます。
四隅の象徴
カードの四隅には四大元素を司る人間、ワシ、牡牛、獅子の天使が囲んでいる様子が描かれています。これらはそれぞれ黄道十二宮では水瓶座、蠍座、牡牛座、獅子座であり、いずれも「不動宮」に属しています。運命は不動ということのあらわれでもあるのでしょうか。右上のワシは先ほど紹介したヘビが昇華された結果の存在となります。なお、この天使達みんな本を読んでいますね。これはは「21世界」に向けて勉強中である事を示しています。
マルセイユ版との比較
運命の輪は多くの変更点があるカードです。輪の右側(上を向いている方)の動物はアヌビスとされ、転じて善玉と解釈されます。対して輪の左側(下を向いている方)の動物はテュポンとされ、転じて悪玉の象徴とされていますが、ウェイト版では右側に配置が変更され登場しています。それに伴い邪悪の象徴はヘビへと変化しました。
マルセイユ版の運命の輪が台座が付いていますが、ウェイト版では天空に浮かぶ形になり神々しいイメージに変わっています。運命の輪の上に鎮座する生物はどちらもスフィンクスで伝統的な絵柄を引き継いでいると考えられます。
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