吊された男の基本情報
「新たな視点で物事を見る」
吊された男のメインキーワードは「静止」です。吊された男(吊られた男や吊るし人ということもあります)は身動きが取れない状態をあらわしています。身動きが取れないともどかしさを感じますが、そんな状況だからこそ気が付けることもあります。思考をクリアにして新しい視点で物事を考えましょう。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
吊された男の正位置の意味
正位置で出た場合は、保留や一時停止をしている状態の中で新しい視点や精神的な物の見方を取り入れて変化を求めるべきです。膠着した状況の中では周囲が正しいと考えるアプローチとは距離を置く形で、通常とは異なる物の見方や行動を実践すべきことを後押ししています。またすでにそのような行動を起こしている可能性もあります。
吊された男の逆位置の意味
逆位置で出たときには、あなたが今の状況を受け入れられずもがいていることが示されています。同じ方法を続けていても物事は好転していきません。必要な犠牲を払うことを拒めば、さらなる喪失と苦悩を招きかねません。一度現状を受け入れて冷静になるべきなのです。
吊された男の解釈
テーマ毎に「吊された男」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
吊された男に関するデータ
吊された男と占星術
水の元素(海王星とするデッキもある)
水の元素が持つキーワードには感情や感覚、精神性などがあります。水は心に形容されることが多く、人間の内面的な部分を象徴する元素です。
海王星は個人の範囲を超えた時間的・空間的制約の無い集合無意識という意味をもった惑星です。もともと黄金の夜明け団ではこの星は用いられていませんでした。最近になり、海王星が魚座や吊された男に関連付けられるようになりました。
【エレメント】水
吊された男と数秘術
3(3女帝)=1+2(12吊された男)=2+1(21世界)
数秘術の3は繁殖力、共同事業の最初の成果、協力的努力、三者の結びつき、新たなものの創造、補足し合うペアを結びつけることによって得られる成果といった象徴的な意味を持っています。
吊された男と神話/元型(アーキタイプ)
吊された男の絵柄の解釈
背景
吊された男の背景色は灰色です。
灰色は彩度の低い色です。赤でもなく青でもなく、白でもなく黒でもない。ある意味で主張のない色と言えるでしょう。灰色はそんな特性から控え目や遠慮といったイメージが浮かんできますね。身動きの取れない彼はじっと機を待つしかないのです。
どっちつかずの状態ですがここからどうなっていくかは分かりません。この中で動けるものは吊るされた男の頭だけです。灰色は動きのない状態も意味しますが、彼は何かを気付いたようです。
表情と服装
吊された男に描かれた人物はこのような状態にも関わらず、その表情には苦しさは感じられません。「あっ!」と言っているようにも見えますね。彼は吊るされたことで新たな視点を発見したのかも知れません。
頭を中心に輝きを放っている様子からも閃きというイメージが感じられますね。頭の後ろに光るものは「光輪」で、吊されている人物の光輪が、その吊るしている木々の芽吹きを促進させているほどの行為を成し遂げ、それを悟ったことが表し示されていると言われています。
ウェイト版で吊るされている男は北欧神話の最高神・オーディンをモチーフにしています。オーディンはルーン文字の解読方法を知るために世界樹・ユグドラシルの枝から9日間にわたり首を吊り続けたが、縄が切れて一命を取り留めたという神話が残っています。
男のポーズも特徴的です。組んだ足の形はカバラにおいて物質世界を表す「4」、同じく手は精神世界を表す「3」になっています。「物質が精神の上に置かれた状態」を表し、精神が物質を越えた「21世界」と対比されます。
マルセイユ版との比較
マルセイユ版ではポーズは同じですが、左右に木が描かれています。この配置は「6恋人」の構図と一緒ですね。左右を挟まれて身動きが取れないのも同じですね。また両側に伸びる樹木は枝を切り揃えられており、切り口は1本につき6つ、合わせて「12」となっています。この二つのカードの関連性を感じますね。
どちらのカードでも人物は前を見据えた形になっていて、望んでこの状況にいるようにも感じられます。イタリアの古いタロットカードの中には、この逆さ吊りの人物に金の入った袋を持たせ「反逆者」というタイトルをつけるものもあるようです。これは「ユダ」を指しています。
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