教皇の基本情報
「人と神との架け橋」
教皇のメインキーワードは「ルール」です。物事に秩序をもたらすためには、ルールが必要です。それは「人はこうあるべきである」というモラルだったり、伝統的なしきたりだったりします。彼は精神的なお手本であると同時に人々に救いをもたらす存在です。高い精神性をもった賢明な導き手であり、心の拠り所なのです。
プラスのキーワード
マイナスのキーワード
教皇の正位置の意味
正位置では社会のルールを守り、それによって平和が維持されている状態を指しています。他者を尊重し、信頼する関係を育んだ結果、強い絆が生まれているようです。教皇は正しい道へ導いてくれる存在、守るべきことやルールを元にして絆や信頼関係を結んでいくことをあらわしています。
教皇の逆位置の意味
逆位置では社会のルールを守らなかったり、信頼や絆を自分の利益の為に利用することを意味しています。本来なら社会のルールに外れる、モラルに反することをやっているのなら相応の報いが下される可能性があることを覚悟しなければなりません。またルール遵守の気持ちが強くて、柔軟性や寛容さを欠いている状況をあらわすこともあります。
教皇の解釈
テーマ毎に「教皇」を引いたときの解釈についてまとめます。
現在の状況
人の気持ち
仕事
恋愛
アドバイス
教皇に関するデータ
教皇と占星術
牡牛座(金星に支配される地のサイン)
牡羊座は「我は待つ」というキーワードを持っています。どれだけ時間がかかろうとも、自分が望むものを手に入れるまでは、辛抱強く、諦める事無く耐え続けチャンスを待つ、そんな性質を持っています。とても堅実で真面目なスタンスの星座です。
【エレメント】地
【牡牛座の期間】
トロピカル方式:4月20日~5月20日
サイデリアル方式:5月14日~6月14日
教皇と数秘術
5(5教皇)=1+4(14節制)
数秘術の5は不安定性、分裂、苦闘、争い、衝突、動揺、危機、下降、緊張、不確実性、厳粛、不均衡といった象徴的な意味を持っています。
教皇と神話/元型(アーキタイプ)
教皇の絵柄の解釈
背景
教皇の背景色は灰色です。
灰色は彩度の低い色です。赤でもなく青でもなく、白でもなく黒でもない。ある意味で主張のない色と言えるでしょう。灰色はそんな特性から控え目や遠慮といったイメージが浮かんできますね。いい意味でも悪い意味でも主張のない色なのです。
また中立や公平といったイメージも持っている色です。こちらの方が教皇の意味には近いでしょうか。無個性や無感情という意味も持っている色でもあります。ルールを守る上で個性や感情は不要、というより邪魔なものです。感情ではなくルールに従い、物事を粛々と進める教皇の姿にリンクするのではないでしょうか。
表情と服装
教皇のカードに描かれているのは大きく描かれた真面目そうな教皇と下側に小さめに描かれた二人の聖職者です。教皇と二人の聖職者は不自然なほどに教皇が大きく描かれています。これは双方の重要度をあらわしています。前近代の図像学では重要な人物をリアルな比率を無視して巨大に描くことはごく一般的なことだったようです。
教皇の左手に掲げる杖の先端には、霊を象徴する十字架が3つも取り付けられており、頭には三層の冠を被っています。「3」は霊的要素の強調を示し、教皇の力が人間の精神・肉体・魂に及んでいることを表しています。これらのモチーフはキリスト教の三位一体も象徴しています。そして彼もまた皇帝と同様にカリスマ性を意味する赤い服を着ています。女教皇と違い手に書物を持っていない教皇。これは彼が書物を使用しない=彼自体が法であるということを象徴しています。
教皇の表情は能面のようにも見えますね。導くものとして彼はどこまでも公平で感情で動くことはないのだと思います。そんな人物だからこそルールの守護者として信頼を集めるのでしょう。
双子の聖職者
下部に描かれている二人の聖職者は、双子と言われています。双子は人間の宗教的な面や日常生活における二面性をあらわしています。二人の服には赤い薔薇と白い百合のモチーフ。これは魔術師の下部にも描かれています。赤い薔薇には「模範的」という意味が、白い百合には「純粋」という意味があります。つまりこの二人は「模範的な聖職者」と「純粋な聖職者」として描かれ、教皇に対して強い信頼を寄せる人物なのです。
マルセイユ版との比較
ウェイト版とマルセイユ版を比べてみると、構図や色彩がほぼ変わっていません。マルセイユ版での教皇はそっぽを向いているような感じがしますね。目の前の二人ではなく、手に持った杖に注がれているようです。マルセイユ版では教皇が手袋をつけていて、手に持った杖と合わせて「超越的な力を所有するのが個別的な人間の手ではない」ということを示しています。
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